●11月の炉開きのころ、茶壺を拝見する作法です。
●炉開きにつづいて口切の茶事をおこないます。
●壺を床に荘る位置は、名物や拝領品の場合は、床正面に、そうでなければ上座や下座に。
●茶壺はルソンの壺や、古瀬戸、国焼き、仁清など。
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初座の床かざり
- ●壺は封印を正面にし、口覆を菱形にかけ、口緒を結びます。
●網に入れて床にかざります。
※口緒、網の緒の結び方は、口伝につき、先生に教わってください。 -
客とのやりとり
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客の席入り
●通常の席入りのあと、主客のあいさつの最後に「差し支えなければお壺を拝見したい」と正客から所望があります。
壺が、網ではなく、最初から紐が結んであれば、客は拝見を所望してはいけません。
床から壺を持ってくる
●亭主は床前に進んで壺を持ち、かぎ畳(炉のある畳)の角を避けて通り、図の位置に置きます。
網を脱がせる
●網の緒を両手でほどきます。
●ほどいた緒を握ったまま両手の3本指を広げ、網を下げて脱がせます。
●右手で壺の口、左手で網の底を下から持って、①網を抜き取るようにし、壺を少し向こうに置きます。
●網の緒を揃えて手前に折り、網を二つ折りにして、②右手で壺の右に置きます。口覆をとる
●①壺を手前に引き、左手を添えて右手で口緒の先端(二本とも)を引いて、壺の口を反時計回りに回るようにしてほどく。
●丸い先端と合わせてとり、左掌にのせて、茶巾を絞るときと同じように半分に折って捻り、②網の上に置きます。
●③口覆を両手でとり、網と壺の間に置きます。
封印を正す
●指先だけで壺を持ってかたむけ、正面の封印を改めます。
●このとき、正客から「お口覆いも拝見」と所望があります。客に出す
●①口覆を壺にかけ、②網と口緒を右手にとり、左手で勝手付きに図のように置きます。
●壺の正面を右繰りで90度、90度と向こうにし、両手で持って正客の前に持っていき(ルートは先程と同じ)、もとに戻って控えます。客の拝見の仕方
○正客は次礼をして壺全体をみる。
○①口覆をとって上座に置き、指だけで壺をかたむけ、封印を見ます。
○②時計回りに一周回して拝見し、③次客に。
※次客以降は⑤反時計回りに回します(④口覆は正客とおなじく上座に)。
※詰は壺の正面を右繰りで向こうにし、立って正客前に持っていきます。
○詰から壺が戻ると、正客は口覆をとって封印を改め、再び正面を向こうに回し、亭主を待ちます。拝見のあと
●亭主は壺を取りに出て戻り、①口覆をとって封印を改めます。
●②網を広げるため、壺を少し向こうに寄せ、③口緒をとって懐中し、④左手で網を取って、壺正面を向き、壺の前に広げます。
●壺を入れたら、緒を半分に折って右手で握り、左手で底を支えて勝手にさがります。
※実際の茶事では、続いて、初炭、懐石、中立と進みます。 -
後座の床かざり
- ●中立の間に、壺の紐を、正面を真、客付を行、勝手付を草に結び、床に荘ります。
※紐の結び方は、口伝につき、先生に教わってください。